生活保護受給者の転居について

▌生活保護を受給しているからって転居をあきらめていませんか?

 

 

こんにちは、リノベーターの東田です。

当社には、様々な事情を抱えた方から住まいに関するご相談を頂きます。生活保護受給者の転居相談も多く頂いています。生活保護受給者の転居は、様々な制約を受けるかもしれませんが、条件を満たせば、転居は可能です。その手続きについて、ご説明します。

 


当社は、「すべての人に、こころ休まるすまいを」得られる社会の実現を目指しています。

空き家や築古物件を活用することで、単身高齢者や生活保護世帯などの住宅確保困難者の手の届く住まいを提供しています。


 

生活保護受給者の転居手順

①自治体/ケースワーカーに転居が可能か相談する

既に生活保護を受けている方が、転居する場合は、先ずは、自治体のケースワーカーに相談しましょう。

生活保護受給者の転居に掛かる費用(敷金、礼金、火災保険料、運送費用など)は生活保護費として支給されるためには、生活保護法で定められた条件を満たす必要があります。今までご相談を受けたことのある理由としては、「現在は2階の部屋に入居しているが、身体が不自由となり、1階の部屋に引越したい」とか、「今の家族構成からみて、明らかに狭い」、「離婚によって新たな住まいが必要になった」などです。

その一方で、「もっと新しい家に引越したい」、「より利便性の高い場所に引っ越したい」等の理由では許可されない(=転居にかかる費用が支給されない)可能性が高いです。その場合は、転居にかかる費用が支給されないため、ご自身で費用を貯める必要があります。

②転居可能な物件の条件を確認する

転居可能な物件の条件として、生活保護の住宅扶助費用の限度内に収める必要があります。生活保護のうち、家賃にあたる費用が「住宅扶助」です。この住宅扶助費用の上限は、自治体、世帯人数等によって異なります。

例えば、枚方市では1人世帯では38,000円、2人世帯では46,000円、京都市では1人世帯では40,000円、2人世帯では48,000円です。※当ブログ執筆時点

住宅扶助費用の上限は、自治体や世帯人数だけでなく、物件の面積によって住宅扶助費用の上限が異なる場合がありますので、転居可能な物件の条件を自治体/ケースワーカーに確認しましょう。

ここで注意したいのは、住宅扶助費用として支給されるのは、「家賃」のみであり、「共益費/管理費」は住宅扶助費用としては支給されず、生活費として支給される生活扶助費から支払う必要があります。家賃が上限に収まったとしても、共益費/管理費は生活費から支払う必要があるため、大きな負担とならないように気を付けましょう。

③不動産会社で物件を探す

転居可能な物件の条件が確認できれば、いよいよ物件探しです。不動産業者によっては、生活保護受給者の物件を取り扱っていないところもあるので、先ずは、生活保護を受給していることを伝え、生活保護受給者が入居可能な物件を探して貰いましょう。

物件オーナーが生活保護受給者の入居をOKする物件、かつ、住居扶助の上限に収まる物件です。条件の合う物件があれば、内見させて貰います。

④入居審査を申し込む

希望物件が決まれば、入居審査に進みます。入居審査のうち、家賃保証会社の審査については、前回のブログ(こちらをクリック)で詳しく記載していますので、ご参照ください。生活保護受給中だからといって、家賃保証会社の審査が通らないことはありません。審査において、生活保護受給証明証が必要となる場合が多いので、予め準備しておくとスムーズかもしれません。

⑤賃貸借契約を結ぶ

無事、入居審査が通ったら、入居日を決めて、大家さんと賃貸借契約を結びます。賃貸借契約を結ぶ際には、特に「入居に当たって必要な費用(初期費用)」、「定期的に必要な費用」、「退去時に必要な費用」を確認しましょう。

 

初期費用 礼金、敷金、仲介手数料、初回火災保険料、初回家賃保証料など
定期的に必要な費用 更新料、火災保険更新料、家賃保証更新など
退去時に必要な費用 原状回復費用、ハウスクリーニング費用、鍵交換費用など

 

これらの費用の内、概ね生活保護の一時金として支給されるのは、赤文字で記載した費用ですが、自治体によって、支給される項目に違いがありますので、契約にあたっては、必ず、自治体/ケースワーカーに確認しましょう。

⑥引越し業者を探す

入居日が決まれば、引越し業者を選定します。引越し業者の選定にあたっては、3社程度の見積りが必要となります。引越し業者に電話し、見積書を取得します。高齢者や身体が不自由で荷造りや荷ほどきが出来ない方は引越し業者が全てやってくれる「おまかせパック」もあるので、ケースワーカーに相談し、活用しましょう。

 

そして最も安い引越し業者を選定し、自治体/ケースワーカーに報告し、許可を得たら、引越し業者に発注します。引越し業者に支払う費用は生活保護の一時金として支給されます。

 

転居先で使う照明器具、炊事器具などの費用も支給されるケースもありますので、自治体/ケースワーカーに相談すると良いでしょう。

 

最後に住宅の賃貸借契約書、初期費用の請求書/領収書、引越し業者の見積書などを自治体/ケースワーカーに提出し、いよいよ、引越しです。電気、ガス、水道などの開栓手続きが必要ですので、忘れずに行いましょう。

 

以上、生活保護受給者の転居手順について、ご説明しました。自治体によって審査基準や支給される金額などが違いますので、一つずつ、自治体/ケースワーカーに確認しながら進めることが重要です。

当社はこれまで多くの生活保護受給者の入居をお手伝いしてきた実績があります。もちろん、当社の自社物件、管理物件は生活保護受給者の入居をお断りすることはありません。また、転居がスムーズに進むように、自治体/ケースワーカー、支援団体の方々と調整を行うことも可能です。

生活保護の方にとって、賃貸物件を見つけることは難しいように思えるかもしれませんが、生活保護を受けているからと転居を諦めずにぜひ一度、当社にご相談ください!

 

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